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「るろうに剣心 最終章 The Beginning」〜アクション映画に止まらない最高傑作〜解説感想考察!

 

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あらすじ

“伝説”が、遂に歴史的フィナーレを迎える!
なぜ<緋村抜刀斎>は、人斬りをやめたのか?
今、ここに「るろうに剣心」のすべてが明かされるー

 動乱の幕末。緋村剣心は、倒幕派長州藩のリーダー桂小五郎のもと暗殺者として暗躍。血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎ひむらばっとうさいと恐れられていた。
ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴ゆきしろともえに人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。

 その後、幕府の追手から逃れるため巴とともに農村へと身を隠すが、そこで、人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見出していく。しかし、ある日突然、巴は姿を消してしまうのだった…。

− <十字傷>に秘められた真実がついに明らかになる−

 

オススメコメント

 アクション映画の枠に止まらない、アクション映画だった。アクションはもちろんふんだんにあるのだが、それ以上に、剣心の人斬り抜刀斎として生きるドラマが重く、深く引き込まれた。

 個人的には、今までのるろ剣映画の中で、1番面白かった。大きな理由もしては、1番歴史に則した内容だったからが大きい。新撰組池田屋事件など、史実と抜刀斎との関わりが分かる人には分かる描かれ方で(もちろん知らなくても十分楽しめる)、ニヤニヤしながら見ていられた。もう一つの大きな理由としては、重厚な人間ドラマだった点が挙げられる。剣心と有村架純演じる巴の想い合う様は、とても引き込まれた。それと同時に、身が切られるように痛かったけれど。

見どころとしてまずはやっぱり、アクションがカッコいい。目で追えないほど早くて、抜刀斎のスゴさを感じられる。前半の方が殺陣シーンが多く、爽快だった。今までの剣心と違い、容赦なく止めを刺すさまは、明治維新の犠牲の大きさを感じさせられた。

 

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 桂小五郎沖田総司など、有名人が次々と登場するので、彼らがどう描かれるのか、と言う面白さも尽きない。個人的には高杉と桂小五郎の、剣心に対して「1人の若者の人生をめちゃくちゃにするなら、倒幕の神輿として担がれるお前(桂小五郎)は、常にきれいな身でいなばならんぞ」と言うセリフがとても印象に残った。倒幕のために剣心を利用しつつ、彼らがただ剣心を利用する悪人ではない事を象徴するシーンだったと思う。彼らの人柄が描かれたお気に入りのシーン。

 また、The finalを見られた方は分かっているだろうが、終わりが見えている巴と剣心が互いに距離を縮める様は、とても胸が痛い。それでも、なぜかとても嬉しいのだ。心惹かれ合う様子をもう少し丁寧に描いて欲しいと思う人もいるだろうが、私はあれでいいと思う。あくまで恋愛ドラマではなく、倒幕の志を持ったアクションドラマだからだ。私は剣心が眠る姿勢が変わるだけで十分に満足だった。

 巴との寂しくも感動的なシーンで終わるのかと思いきや、最後がまたいい。

 家を焼き払い戦いへ身を投じる剣心の姿と、あの場面でのテーマソングは、最高に格好良かった。否が応でも心が盛り上がるし、未字で伝えるラストにもThe beginingを存分に感じられて、鳥肌が立った。やっぱり、繋がりを感じられるシーンは嬉しいもので、一作目の始まりへと繋がる終わり方は最高だった。

 そして、頬の傷だ。市井の人は斬らない、刀を持った敵のみを斬ると言う剣心の信念を守るため、つけられた2本目のキズには、胸が震えた。

 窪田正孝のシーンは1作目から何度も見ていたが、ここに繋がるのかと、深い納得とともに感動した。良くも悪くも、人斬り時代を象徴するシーンだったと思う。

 もちろん剣心の物語なのだが、巴の一生を描いた物語でもあった。

 単なるアクション映画に収まらない、歴史の重みと巻き込まれる人間ドラマを描いた今作は、間違いなく最高傑作だと思う。

見終わってまた一作目を見たくなる、そんな次を焦がれるいい映画だった。

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