ハッピーエンド作品紹介ブログ

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「マネー・ショート華麗なる大逆転 」〜リーマン・ショックに焦点を当てた物語〜伏線解説感想考察!

 

 

ハッピーエンドでは、ない気がします。すみません笑

 リーマン・ショックに焦点を当てた物語。タイトルから想像して、勝手に権力を持っている側の金融機関からお金を取り返すような話だと思っていたが、違った。たしかに、お金儲けは成功する。そしてそれは金融機関がずさんな管理を していた体制に素早く目をつけ、強い意志を貫いたから成功したのは間違いな い。それでも、大金を手にした彼らに喜びはなかった。彼らは多くの人が不幸に なる道に賭けたからだ。自分自身が大金を手にしても、世界中の人が路頭に迷っ ては、喜ぶに喜べない。何より、自分たちが多くの人が不幸になると予想し大金 をかけ、なんなら世界的な不幸が起きることを望んだからだ。

 物語のラストに爽快感はなく、重苦しい雰囲気だった。誰が幸せになれたのだ ろうか。見せかけの商品売っていた金融機関が悪いのだけれど。

 教訓的な映画でもあり、ドキュメントチックでもあった。最後の字幕と語りの みのエピローグがやり切れなさを表している気がした。淡々とその後の消息を 語る口調には、人生の喜び、賭けに勝った喜びは感じられなかった。

 エンターテイメントとして極上とは言えないかもしれないが、リーマン・ショックという出来事に向き合い、恐ろしさを伝える役割としては、勝者がいないと見せつけられるいい映画だった。