「ヤバすぎファミリー 毎日がパラダイス」〜最後にひっくり返される、ブラックジョークが効いたラスト〜解説感想考察！
あらすじ
マリファナ栽培で生計を立て、警察から追われる両親の下で育った18歳の青年。同世代の友人がいない寂しさから学校生活に憧れを抱いていた。そんな彼に芽生えた初恋が自立の道を開くことに！だが、その裏には思いも寄らぬ罠が仕掛けられていた。初恋、家族からの自立を描く青春ムービー！
オススメコメント
ハッピーエンド、なんだよね、これは。
とてもブラックジョークが効いた終わり方だった。クライマックスから二転三転するからそれまでの印象が薄れてしまうが、これは犯罪家族の物語であると同時に、主人公クインとクリスタルとの恋の物語でもある。事前知識なしで見ていたので2人が結ばれて割るのかと思いきや、そんな甘い結末ではなかったですね。この終わり方は終わり方で爽快な気がするからアリだと思います。
主人公一家が犯罪者集団ながら人としてもいい人ということで、どうしても警察側が悪く見られてしまうのはある仕方がないと思う。それゆえに結末に爽快感が感じられるわけだから。
一方でこの映画は、世間を知らない青年の成長物語でもある。むしろ全編を通して見た場合、圧倒的に成長物語の尺の方が長い。生物学の知識でクラスメートから認められている姿や、スモークマンとして知識を披露する場面ではこちらも思わず嬉しくなってしまう。いかにも、という嫌なやつが後半目立った嫌がらせがないことや、最後の握手は少し不思議だったけれども、彼に言い返すクインの姿からは成長を感じられる。
そして、クリスタルという存在。彼女が結果的には一番心が揺れ動いていたしその後が心配になってしまった存在だった。なぜ冴えないクインに初めから仲良くしてくれるのかと、最初のうちは非現実的な御都合主義的な展開かと思っていたが、最後にしっかりと理由がわかるのでスッキリ。でも、どこからが本物かはもう一度見ないとわからないので、２回見ても楽しめる作品になっていると思う。
ありえない家族のコメディチックな恋愛ドラマかと思いきや最後にひっくり返される、ラストにブラックジョークが効いたいい映画。
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