「パイレーツオブカリビアン/呪われた海賊たち」〜ディズニーのアトラクションから生まれた最高傑作〜伏線解説感想考察！

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あらすじ

　孤高の海賊、ジャック・スパロウを中心とした海賊の物語。さらに、総督の娘エリザベスと、海賊の息子ウィルターナーの物語でもある。

　ブラックパール号を率いる冷酷な海賊の船長バルボッサが町を襲撃し、総督の娘エリザベスがさらわれる。
密かにエリザベスに恋心を抱いていたウィルは、一匹狼の海賊ジャックと手を組み、彼女を救い出すことに。
呪いによって生きた屍と化していたバルボッサと船員たちの狙いは、エリザベスが身に付けている黄金のメダル。
そしてその最後の持ち主だったウィルこそが、死よりも苦しい地獄のような呪いを解く鍵となる。
ブラックパール号を奪われた過去を持つジャックは、復讐として一発の銃弾をバルボッサに撃ち込むが―。

オススメコメント

　原点にして、頂点。そう言えるほど、昔から好きだし、今見ても面白い。大人気シリーズの一作目だが、一本の映画としてのまとまりとしては、1番完成度が高いと思う。笑いあり、アクションあり、どんでん返しありと、映画の魅力がギュギュッと詰まっている。
　まずは、主人公ジャックスパロウの魅力が大きい。見てないものからすると2枚目のキャラクターだと思われがちだが、彼の本性は3枚目だ。騙し、騙され、踊り、踊らされ、味方になり、敵につく。ジャックの行動のよめなさが、そのままこの作品の展開をよめなくさせてワクワクする要因になっている。
　そして、彼のひょうきんな言動により、シリアスなパートも笑いに変わる。カッコいいアクションの最中でも、動きや表情で笑を作り、面白いかつカッコいいという最高のシーンを見せてくれる。
　ジャックによって海賊の怖さが緩和されているし、重いストーリーも重く感じずに笑ってみられる。いいやつでもないし、海賊という悪の立場にいながら皆に支持される、新たなヒーローだ。
　次にこの映画の魅力的な点は、複雑なストーリーと多くの伏線だ。アステカの呪いは一回見ただけでは理解が難しい人もいるだろうし、ジャックが何度も嘘をつくせいで誰が何のために動いているのかわからなくなる事もままある。ただ面白くアクションがカッコイイだけでなく、きちんとストーリーとして筋が通っているところが面白い。
　加えて、台詞の掛け合いに多く見られる伏線回収は心地よい。「今日という日を覚えておけ。キャプテン・ジャック・スパロウを惜しいところで捉え損なった日だ」から、「今日という日を覚えておこう。キャプテン・ジャック・スパロウが惜しくも逃げ損なった日だ。」などの前の台詞を活かしたやりとりが何度もある。個人的に好きなのは、エリザベスとジャックが2人で無人島に置き去りにされた際にジャックが海賊の歌をエリザベスから教わり、ブラックパールの船長に戻ったら毎日歌うと宣言したシーンだ。映画のラストシーンで、しっかりと自分で歌詞を忘れてテキトーに歌うという、くだらなくも長い伏線回収を見事にしている。それでいて、笑えてキマっているのだから、ラストシーンとして最高だ。終わり方が気持ちいいという、ハッピーエンディング主義者としては文句のつけ難いラストなので、ぜひ見て欲しい。
　ヒロインエリザベスと、オーランドブルーム扮するキーパーソン、ウィルターナーも見逃せない。エリザベスはお嬢様とは思えない行動力と胆力を見せつけて、抜群にかっこいい。ウィルは随所に活躍し、ジャックに翻弄されない唯一のものなのかもしれない。エリザベスとウィルは2作目、3作目と続く3部作のある種主役なので、2人の歴史を辿りつつ見るのもオススメだ。
　この映画の面白いところは、ディズニーのアトラクションが元になって生まれた物語だという事だ。私自身も大好きで映画をみるまえから何度も乗っていた「カリブの海賊」がモチーフになっている。英語に直せばそのままパイレーツオブカリビアンで、これがまた何ともアツイ。
　あと、音楽もめちゃめちゃいい。場面にピッタリだし、気持ちが高まるのだ。エンディングも音楽の力もあってよりよく感じられる。「He's a pirate」という曲は１分30秒ほどでパイレーツ音楽の魅力が凝縮されているので、ぜひ一度聴いてみて欲しい。映画を見た人は映画を思い出しつつ胸を高鳴らせる事、見てない人には冒険の予感を思い起こさせる事請け合いだ。
　ジャックのひょうきんさと、言葉のうまさ、どんでん返しをする力を素直に笑い、楽しみ、驚かされてみて欲しい。何度見ても面白い、昔から大好きの自信を持ってオススメするいい映画。
　