ハッピーエンド作品紹介ブログ

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「浅田家!」〜事実とフィクションの絶妙なバランス〜伏線解説感想考察!

 

 

 家族の良さと、写真の大切さから、心温まる物語。浅田家の家族のお話となっており、父と母に息子2人の4人家族で、弟の政志が主人公。写真家になる夢を、家族を巻き込んで叶えつつ愛されている主人公。事実に基づき再構成した物語と言う注釈が最初と最後に出るのだが、いい意味でそんな事関係ないくらい物語として満足感があった。

 

おすすめポイント1  政志のサクセスストーリー
 序盤は主人公政志のサクセスストーリーで、見ていて爽快。特に、家族の夢を写真で叶えつつ進んでいくシーンはテンポも良く、見ていて楽しい。兄である妻夫木君の演技には笑わされる。やりたい様にやる弟を演じる二宮君と、調整に追われるまともな良き兄のバランスがピッタリ。いきなり消防署に飛び込んで、「消防車を貸してください」を言うのだから、兄も少し普通ではないか笑
 東京に舞台を移してからは、幼馴染の若菜ちゃん役の黒木華が重要に。幼い頃に政志に最高の写真を撮ってもらって以来ずっと好きと言う幼馴染。それにしても大学出て5年近く無職でいきなり家に飛び込んでくる人を受け入れるのは、心広すぎでは、と少しツッコみたくなったが、真っ直ぐ政志を応援してくれる良き幼馴染。苦労を重ねつつ若菜ちゃんに背中を押されつつ成功していく姿は、見ている方も嬉しくなる。
 政志が浅田家だけでなく様々な家族を魅力的に切り取って写真に収めていくシーンは、第一部のエピローグ。微笑ましい良いシーン。

おすすめポイント2  物語の重みが増す2部構成
 そして、物語は起承転結の転にあたる部分へと続く。それは、2011年3月に起こった、東日本大地震。後半は、震災と向き合う政志が描かれる。被災者と向き合い、写真の持つ力と向き合う政志。瓦礫の中から発見した写真を綺麗に洗って持ち主の元へ返す活動をする小野君と関わりつつ自分に出来ることを探す政志は悩んでいる事が伝わってくる。途中被災者へ配慮なくシャッターを切る無神経な写真家がサラッと描かれていたがメッセージ性を強く感じた。事実に基づいた物語、という部分の怖さでもある。
 そんな中で、見ていて心動かされたシーンが、娘の遺影を探しにきた父親のシーン。最初は写真の展示を行う政志たちに対してクレームをつける嫌な人として見えるように描かれていたが、その中でその人もいっぱいいっぱいである事が伝わってくる演技だった。その後、娘の死亡が確認されて家も流されたため写真が1枚も残っておらず遺影を求めて気まづいながらも写真を求めて訪れる姿、一心不乱に娘の写真を探す姿、見つけた際の表情と、心掴まされた。

 

おすすめポイント3  伏線回収のエンディング
 そんな重い体験をしつつ、被災者との関わりから写真の持つ力を政志が再認識していくために大切だったのは、やはり家族。原点に戻るストーリーは秀逸。そして最後のエピソードも家族。オープニングに父親の葬式から始まり、途中長生きしたいという父親の言葉も挟まりつつの終盤病気で倒れる父親。そして最後に冒頭の葬式シーンへと戻るのだが、ラストまでやってくれる。風吹ジュンの演技で違和感を感じるのだが、それにしても出来過ぎだろ、満足のハッピーエンドです。幼馴染とも決着をつけるし、「私も浅田家の家族写真に入れてほしい」と言うその若菜ちゃんからの言葉を汲んだシーンでもあるラストは、やはり完璧。

 

エンドロールも見逃さないで欲しい。さりげなく家族が増える描写があったりと細かい部分も楽しめるように配慮されている。さして、冒頭の事実に基づき構成した物語と言う説明が再度入った後の、現実の写真1枚。最後の最後まで楽しませてくれる良い映画だった。

 

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